抄録
本研究では,建設分野における廃ガラスリサイクルの推進と,気泡混合軽量土(FCB)の品質向上・安定化を目的に,筆者らがかねてから提案している,廃ガラスカレット(GC)を用いたFCB(GC-FCB)の室内配合試験ならびに試験打設を実施し,μX線CT画像解析によるGC-FCB各種供試体の品質評価や材齢1,080日までの長期材齢強度に関する考察を行なった。その結果,1)GC-FCBは,自然砂を用いたFCBよりも強度面(一軸圧縮強さ)で優位性を確保できること,2)GC-FCBの一軸圧縮強さは湿潤密度に敏感であるため,その施工時には湿潤密度の管理がより重要となること,3)GC-FCB一層の打設厚さは,FCBでは標準とされる,1 m程度以下とするのが妥当であること,4)GC-FCBの一軸圧縮強さは,材齢720日程度まで伸び続けること,などが明らかとなった。