抄録
スマートフォンの普及に伴い,自治体からの情報発信アプリの一つとして,ごみ分別アプリがみられるようになっている。ごみ分別アプリの導入目的として,適正なごみの排出,ごみ量の減少を促すことがあげられている。しかし,ごみ分別アプリ導入の決定要因や,ごみ分別アプリの導入目的が達成されているかについて,定量的な検討が十分に行われているとはいいがたい。本稿では,東北・関東地方の全市区町村(東京23区および福島県双葉町を除く)におけるごみ分別アプリ導入状況についてのデータを用いて,ごみ分別アプリ導入の決定要因やごみ分別アプリが導入目的を果たしているかについて定量的に検討した。その結果,ごみ分別アプリは,防災アプリを導入している自治体でより積極的に導入される傾向にあった。また,ごみ分別アプリ導入はごみ減量を促し,生活系可燃ごみ単純比例型有料化はごみ分別アプリのごみ減量効果を弱める可能性があることがうかがわれた。