抄録
学習指導要領の改訂に伴い,学校教育全体でプログラミング教育の充実が図られている.その目標の
1つに,プログラミング的思考の育成がある.その育成のためには,プログラムを組む過程で生徒が行
う種々の学習活動(プログラミング的活動)を実現する必要がある.そこで,本稿では中学生が素数判
定のアルゴリズムを作成する過程に焦点を当て,探究型学習の中で実際に生徒がどのようなプログラミ
ング的活動を行ったのかを事例的に明らかにすることを目的とする.そのために,フランス数学教授学
の理論であるStudy and Research Path(SRP)に基づくオープンな探究型学習による授業を実践した.
素数判定のアルゴリズムを作成する過程で,生徒は「システム思考」「再利用とリミックス」「テストと
デバッグ」といった種々のプログラミング的活動を行うということが明らかになった.また,SRPに依
拠した本授業実践においては,「アルゴリズムの高速化」というプログラミング的活動において,平方根
に関する知識が存在理由(raison dʼêtre)を伴って生じたことも付随的に明らかになった.