6年生がハノイの塔100段の場合の最小の移動回数を求める問題に取り組んだ授業におけるグループ学習の対話が児童の思考促進に及ぼす影響について調べた.円盤の1枚目と2枚目の移動を1・2・1と表してこれをひとまとまりとして4段の移動回数を求める式3-4+3を作り,この式を基に100段の移動回数を考察した班を対象として,グループ対話において新たな仮説を創発した児童の思考過程を分析した.他成員との相互作用のある対話によって反省的思考が促進され,自分自身との対話によって試行錯誤を経て段数と1・2・1の出現回数の関係に気付き,反照的思考を働かせて新たな解法を見出していた.