日本母性看護学会誌
Online ISSN : 2434-6187
Print ISSN : 1345-773X
原著
日本の父親は母乳育児の支援者となり得るのか
─妊娠中の妻を持つ夫の母乳育児の認識に関する質的研究─
北 ありさ森 恵美岩田 裕子
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2021 年 22 巻 1 号 p. 1-8

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抄録
本研究の目的は、日本における妊婦の夫が持つ母乳育児の認識を明らかにすることであった。妊娠後半期で正常妊娠の妻を持つ夫21名を対象に、半構造化面接を行い質的帰納的に分析した。その結果【当然母乳で育てたい】【母親の負担やセクシュアリティへの配慮が必要不可欠】【負担が大きいため母乳育児にこだわらない】【二人の子どもだから互いに協力したい】【授乳は妊娠出産の延長にあり、母親に任せたい】の5つのテーマが導き出され、母乳育児を肯定的に捉えると同時に、妻への負担や制約の懸念から否定的な認識を持つことが明らかとなった。加えて父親らは、育児への積極的な態度を示す中でも、授乳方法の決定においては母親の意思を尊重していると考えられる。このことより、日本の父親は母親の気持ちを理解し、精神的に支え共に歩むことができる存在であり、看護者は、妊娠中から父親への母乳育児に関する看護支援を提供することが望ましいと考える。
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© 2021 一般社団法人 日本母性看護学会
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