2023 年 24 巻 1 号 p. 23-30
日本において超高齢妊産婦への多職種連携の必要性が高まっているが、その実践知の蓄積は殆どない。超高齢妊産婦の妊娠期から産後1年にわたり、保健医療専門職の多職種連携の経験を明らかにすることを目的とした。研究参加者は看護職24名、医師7名、医療社会福祉士1名、計32名であった。超高齢妊産婦の妊娠期から産後1年にわたる多職種連携の経験を半構成的面接法にて調査し、内容分析を行った。超高齢妊産婦の多職種連携の経験は、【既存の多職種連携システムの活用】、【日常的な交流からの円滑な連携】、【超高齢妊産婦の多様性を踏まえた連携】、【産前から産後までの切れ目のない連携】等10テーマが導出された。超高齢妊産婦に対する多職種連携は、妊娠期から出産施設退院までは既存の周産期医療システムを活用して円滑に行われていた。しかし、出産施設初診までと施設退院後の育児期の多職種連携において課題があることが示唆された。