2025 年 26 巻 1 号 p. 39-45
本研究の目的は、1歳未満の子育て期の母親とその家族に提供されている産後のメンタルヘルスケアにおける多職種協働システムの構築に関する高度な看護実践を明らかにすることであった。研究デザインは質的記述的研究であり、4人の母性看護専門看護師による多職種連携の語りを分析対象とした。メンタルヘルスケアにおける多職種協働システムの構築に関する看護実践は【周産期メンタルヘルスの問題に、院内の専門職の人的資源をつなげ、多職種で対応する仕組みをつくる】【地域における支援提供者と有機的につながる】【地域のケア提供システムにおける自分(看護実践者)の立ち位置を把握しながら、ケアを提供する】の3つの実践のテーマを含む『個別ケアのために施設内や地域において多職種協働システムを構築する』という1つの高度看護実践が明らかとなった。母性看護専門看護師は院内と地域をつなげる高度な看護実践を行っていたことが示された。