2025 年 26 巻 1 号 p. 47-54
本研究の目的は、インスリン療法を行う妊娠糖尿病妊婦が抱く困難さを明らかにすることである。研究デザインは質的記述的研究である。研究対象者は今回の妊娠で初めて妊娠糖尿病と診断され、インスリン療法を行う妊婦9名である。インスリン療法導入後1か月以内から出産後まで縦断的に2~3回の半構造化面接を行った。インスリン療法を行う妊婦の困難さは【腹部にインスリン注射が打ちづらい】【インスリン注射と血糖測定の針を刺すのが痛い】【外出先や妊娠糖尿病と知らない人前での対応に悩む】【思うままに行動ができない】【低血糖を起こす】【血糖値が目標範囲を超える】の6カテゴリーが抽出された。インスリン療法を行う妊婦は様々な困難さを抱えており、看護者による継続的な支援が求められる。