日本スポーツ栄養研究誌
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Print ISSN : 2188-8922
原著
2週間の高濃度茶カテキン含有飲料継続摂取が間欠性の運動テストから評価した全身持久力に及ぼす影響:無作為化二重盲検プラセボ対照試験
山上 隼平宮下 政司長谷川 雅城所 哲宏柳岡 拓磨柏原 杏子和氣坂 卓也松井 祐司吉村 賢治竹下 尚男安永 浩一
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2017 年 10 巻 1 号 p. 17-25

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抄録

【目的】

 高濃度茶カテキン含有飲料(tea catechin-rich beverage、以下TCR飲料とする)の2週間の継続摂取が間欠性の運動テストから評価した全身持久力にどのような影響をもたらすか検討することを目的とした。

【方法】

 トレーニング習慣のある男子学生27名を対象に無作為化二重盲検プラセボ対照試験法を用いて全身持久力を評価した。参加者は試験当日、TCR飲料(茶カテキン639mg/500mL)、または対照飲料(茶カテキン0mg/500mL)のどちらかを摂取した後、1回目のYo-Yo Intermittent Endurance Test Level2(Yo-Yo IE2 Test)を実施した。次に、それぞれの飲料を1日1本2週間摂取終了後、2回目のYo-Yo IE2 Testを実施した。その後、2週間のウォッシュアウト期間を経た後、飲料を替えて上記と同様の試験を実施した。

【結果】

 TCR飲料試行において、対照飲料試行と比べYo-Yo IE2 Test総走行距離が延長する傾向が認められた(飲料の主効果:p = 0.114)。また、Yo-Yo IE2 Test総走行距離が2,000m以上の中程度者以上を解析した場合、TCR飲料試行において、対照飲料試行と比べ運動時の最大心拍数が有意に変化し、Yo-Yo IE2 Test総走行距離が有意に延長することが認められた(飲料の主効果:それぞれ p = 0.044、p = 0.038)。

【結論】

 本研究において、2週間のTCR飲料の継続摂取は間欠性の運動テストから評価した全身持久力を向上させる可能性を持つことが示唆された。

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© 2017 特定非営利活動法人 日本スポーツ栄養学会
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