【目的】
本研究では大学生アスリートの食生活における変容ステージ尺度およびセルフエフィカシー尺度を作成し、妥当性を検討することを目的とした。
【方法】
大学陸上競技選手66名を対象とし、食生活における変容ステージ調査およびセルフエフィカシー調査を行った。変容ステージ尺度の妥当性は「目標量に対する摂取割合」との関連性により確認した。セルフエフィカシー尺度の信頼性は内的整合性の指標となるクロンバックのα係数を用いて確認し、妥当性は「変容ステージ」、「食生活の満足度」、「食情報へのアクセス」、「目標量に対する摂取割合」との関連性により確認した。
【結果】
変容ステージ尺度は選手が不足傾向にある副菜の摂取量との関連が確認された。セルフエフィカシー尺度は探索的因子分析を実施した結果、5因子19項目が得られ、各因子において信頼性が確保された(α>0.7)。基準関連妥当性を検討したところ、第1因子は変容ステージと、第2因子は主菜、副菜の摂取および摂取エネルギーと、第3因子は牛乳・乳製品、果物の摂取との関連が確認された。
【結論】
本研究において、大学生アスリートが不足傾向にある副菜の摂取量の増加を目標とした変容ステージ尺度および5因子から成る食生活のセルフエフィカシー尺度が作成された。これらは、大学生アスリートへの栄養教育の評価の指標として活用可能であることが示唆された。