【目的】
近年、スポーツ選手の身体づくりを目指すため、栄養教育を中心とした栄養サポートが行われており、その有効性が示されている。しかし、同じチーム内に対照群を設定した栄養教育の効果を示した報告は見当たらない。そこで、同じチーム内に対照群を設定した栄養教育の介入が、食・生活や身体組成、コンディションに与える影響を明らかにし、栄養教育の効果を検討することを目的とした。
【方法】
大学バスケットボール選手男子41名を対象とし、栄養教育を受けたNE群22名、それ以外をNO群19名に群分けした。介入前後調査として身体組成、食事調査、コンディションチェックを両群に実施しそれぞれを比較検討した。
【結果】
NE群のみ行った栄養教育介入前後の身体組成は、両群ともに体脂肪量、内臓脂肪指数に減少、NE群のみ筋量に増加を示し、その変化量はNE群で有意に大きかった。エネルギーと各種栄養素摂取量、食品群別摂取量の変化量は、たんぱく質、たんぱく質/体重(g/kg)、カルシウム、ビタミンC、緑黄色野菜で有意な差を示し、NE群で増加が認められた。また、穀類の摂取量が増加した対象者に筋量の増加が多くなる可能性が示された。
【結論】
大学スポーツ選手を対象に、同じチーム内に対照群を設定して行った栄養教育は、エネルギーと各種栄養素摂取量、食品群別摂取量の改善が得られ、それにともない筋量の増加など、多少なりとも身体組成の変化に良い影響を与えた可能性が示唆された。