日本スポーツ栄養研究誌
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スポーツ栄養マネジメント報告
体重の維持に着目した自転車ロード選手へのスポーツ栄養マネジメントの報告─一人暮らしの若手選手の事例─
川俣 幸一
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2020 年 13 巻 1 号 p. 102-110

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抄録

【目的】

 自転車ロード実業団選手は、夏からのシーズン後半になると体重が低下し、競技成績も低下していく選手が多い。そこでシーズン後半の体重維持に着目したスポーツ栄養マネジメントを行った。

【マネジメント内容】

 3~10月の競技シーズンのうち、シーズン中盤である6月からマネジメントを実施した。スクリーニングの結果、一人暮らしの若手選手のうち、監督が推薦し、且つ参加の同意を得た3名を対象とした。アセスメントでは体組成調査、食事調査、生活時間調査などを行った。マネジメント計画では、アセスメントの結果を踏まえ、個人目標ならびに栄養素摂取の目標量、行動計画を設定した。栄養教育は集団指導を2回行った。個人指導は月1回。メールによる質疑応答などを週1~2回実施した。モニタリングでは、日々の体重と行動計画の実施内容を記録させた。月1回アセスメント同様の測定と個人面談を実施した。全ての取り組みは監督・コーチと連携をはかり実施した。

【結果】

 シーズン前後の体重減少量はA選手-0.4 kg(前年度-2.9 kg)、B選手+0.1 kg(前年度-2.2 kg)、C選手-0.1 kg(前年度-1.7 kg)と、全員が体重維持を達成できた。

【結論】

 対象者3名はいずれもシーズンを通した体重および除脂肪体重の減少量が前年に比較して少なく、本スポーツ栄養マネジメントの有効性が示された。

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