2020 年 13 巻 1 号 p. 94-101
【目的】
日本人の女性トップアスリートを対象に、月経周期正常群と月経周期異常群における食意識および食生活状況の違いを明らかにすることを目的とした。
【方法】
対象は国立スポーツ科学センター婦人科を受診した女性トップアスリート130名とした。自記式質問紙を用いて、基本属性、月経周期、体重に対する意識、食知識、食意識、食行動等の他、定性的食物摂取頻度調査を含む回答を依頼した。月経周期正常群と月経周期異常群の2群で解析を行った。
【結果】
体重とBMIは、月経周期正常群は58.2±9.5 kg、21.9±2.9 kg/m²、月経周期異常群は53.1±9.0 kg、20.4±2.1 kg/m²であり、月経周期異常群が有意に低値を示した。「体重を減らしたいと思っていますか」の問いには、月経周期正常群で「全く思わない」と回答した者の割合が有意に高値を示した。食行動の問いでは、月経周期異常群の96%以上の者が「トレーニングに見合うエネルギー量をとるようにしている」と回答した。食知識、食意識、食行動の問いでは、月経周期といずれの項目との間に有意な関連はみられず、食物摂取頻度では、麺類のみ月経周期と有意な関連があった。
【結論】
月経周期異常群では、自身にとって適切な量を摂取していると自己の食生活を過大評価している可能性が示唆された。食事改善においては、実際の摂取量を把握し、具体的な目標摂取量の提示が必要と考える。