日本スポーツ栄養研究誌
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短報
たんぱく質および脂質を多く含む乳製品と糖質の同時摂取が運動後のGlucose-dependent insulinotropic polypeptideならびにインスリン分泌におよぼす影響
柄澤 拓也丸山 まいみ大家 千枝子岡村 信一寺田 新木村 典代
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キーワード: 牛乳, インスリン, GIP, ヒト
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2020 年 13 巻 1 号 p. 85-93

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抄録

【目的】

 インスリンは、筋グリコーゲンとたんぱく質の合成を促進する作用を持つことから、運動後の栄養補給ではその分泌を高めることが重要となる。我々は、牛乳と糖質を同時に摂取することで運動後のインスリン分泌が高まることを報告してきた。これは牛乳中のたんぱく質や脂質が、インスリン分泌増強作用を持つGIPの分泌を促進したためであると考えられる。そこで本研究では、たんぱく質と脂質をより多く含む乳製品と糖質の同時摂取がGIPとインスリン分泌に及ぼす影響を検討することとした。

【方法】

 大学生8名に対して、30分間の自転車運動終了後に1)グルコース1 g/kg体重を水で溶解した溶液、2)グルコースを高脂肪牛乳で溶解した糖質・高脂肪牛乳溶液、3)グルコースに水、全脂粉乳、生クリーム、ゼラチンを加えた糖質・乳製品ゼリーのいずれかを摂取させた。被験物摂取前から摂取後120分目まで採血を行い、血漿GIPおよびインスリン濃度を測定した。

【結果】

 血漿GIP濃度は、糖質・高脂肪牛乳と糖質・乳製品ゼリーを摂取した試行で、糖質溶液を摂取した試行よりも有意に高値を示した。一方、血漿インスリン濃度はいずれの試行間においても有意な差は認められなかった。

【結論】

 たんぱく質と脂質をより多く含む乳製品と糖質の同時摂取は、運動後のGIP分泌を促進させるものの、必ずしもインスリン分泌を高めるとは限らないという可能性が示唆された。

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