日本看護研究学会雑誌
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筋肉内注射技術の学習方法と卒業後の注射技術習得意識との関係について
-卒業後1~3年目の看護婦の認識より-
臼井 雅美渡部 節子鈴木 良子南雲 マリ子酒井 恵子
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1999 年 22 巻 5 号 p. 5_47-5_58

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抄録

 基礎看護教育における筋肉内注射技術の学習方法と卒業後の注射技術の習得意識の関係について検討するために,神奈川県・東京都における総合病院14施設に勤務する看護学校卒業後1~3年目の看護婦・看護士1,188名を対象に質問紙調査を実施した。 その結果,学内演習では患者体験学習が約70%を占め,臨地実習では約2/3の者は実際に患者に筋肉内注射を実施し,その回数としては1~4回が最も多かった。 そして,卒業後6か月までに約70%の者が筋肉内注射技術に自信がついていた。 ついで学習方法と卒業後の注射技術に自信がついた時期との関連については,学内の学習方法と自信がついた時期とでは有意差はみられなかった。 更に臨地実習において,患者への注射を実施した回数が多い者ほど有意に注射技術に自信を示し,卒業後3か月までは差がみられたが,卒業後6か月には差がみられなくなっている。 これらの事から卒業直後の注射技術の習得意識は,卒業後早期には臨地実習における患者への実施が影響するが,卒業後6か月後には影響がみられないことが明らかになった。

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© 1999 一般社団法人 日本看護研究学会
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