日本看護研究学会雑誌
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在宅移行期にある虚血性心疾患男性患者の生活管理意識の実態と関連要因の探索
黒田 裕子船山 美和子
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2000 年 23 巻 5 号 p. 5_13-5_23

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抄録

  在宅移行期にある虚血性心疾患男性患者113名を対象として生活管理意識の実態と関連要因を調査した。生活管理意識尺度は虚血性心疾患男性12名の半構成的面接法の結果を項目プールとし,構成概念を土台として原案作成を実施,妥当性と信頼性を検討のうえ,最終的に4下位尺度15項目からなる尺度とした。これに自尊感情尺度,抑鬱傾向尺度,そしてデモグラフィック変数を含めて調査した。結果,対象の生活管理意識は一様に高かった。また,壮年期の男性であることや在宅移行期にあることを反映し,不規則な生活を改めようとしていること,感情をコントロールしようとしていること,身体をいたわりながらも少しずつ体力を回復させようとしていることが特徴として見られた。さらに,生活管理意識への影響要因として服薬数の多さと坑血栓剤を服用していることが明らかとなった。その他の関連要因として,合併症の有無,治療法,抑鬱傾向,自尊感情も示唆された。

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© 2000 一般社団法人 日本看護研究学会
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