日本看護研究学会雑誌
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訪問看護ステーション利用者の訪問看護およびホームヘルプサービス利用要因と主介護者の健康関連QOL
古瀬 みどり熊野 宏昭
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2000 年 23 巻 5 号 p. 5_33-5_42

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抄録

  訪問看護ステーション利用者の訪問看護およびホームヘルプのサービス利用要因を探るため,サービス利用状況と介護状況および主介護者の健康関連QOLとの関連について検討した。調査対象は,宮城県在住の74名の訪問看護ステーション利用者の主介護者である。
  看護婦が訪問時に提供するサービスのうち,要介護者に対する日常生活の介助は,要介護者のADLに関連し,介護上の指導や健康問題に関する家族看護は,同居家族がいない介護者,副介護者のいない介護者を中心に行われていた。訪問看護の利用頻度別の介護状況および介護者の健康関連QOLの比較では,有意な差は認められなかった。
  本研究対象者のうち,ホームヘルプ利用者の利用サービス内容は,全員が介護であった。滞在型と24時間巡回型サービスの両方を利用しているのは,介護者が65歳以上の場合のみで,両方のサービスを利用している介護者は,滞在型のみ,24時間巡回型のみを利用している介護者よりも,包括的健康関連QOLの身体的健康度が低かった。
  訪問看護ステーション利用者の訪問看護利用要因として明らかに関連するものは認められなかったが,介護者の年齢と健康状態がホームヘルプサービスの利用要因となっていた。

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© 2000 一般社団法人 日本看護研究学会
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