日本看護研究学会雑誌
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手術室における対人距離の変化
石原 磨奈美鎌倉 やよい一柳 美稚子
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2000 年 23 巻 5 号 p. 5_91-5_98

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抄録

  本研究の目的は手術室における対人距離の変化を検討することである。被験者は,看護短期大学の女子学生27名であり,大学内の実習室と病院の手術室において,対人距離がStop-distance法によって測定された。対人距離には,立っている被験者に近づく立位対人距離と,ベッドに臥床する被験者に近づく臥床対人距離が含まれた。後者では,A方向(右50度),B方向(右15度),C方向(左50度),D方向(左15度)の4方向から被験者に近づいた。臥床対人距離を実習室と手術室で比較した結果,A,C,D方向で手術室において有意に短かった。さらに,実習室における臥床対人距離では教員による差を認めなかったが,手術室では差を認め,実習指導によって学生と関わりのあった教員においてB,C,D方向で有意に短かった。以上の結果から,手術室では患者は普段よりも短い対人距離を望むことが示唆された。

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© 2000 一般社団法人 日本看護研究学会
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