日本看護研究学会雑誌
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入院高齢者の転倒経験とその後の予防のとらえ方
平 真紀子泉 キヨ子河村 一海加藤 真由美丸山 巳奈
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2002 年 25 巻 2 号 p. 2_17-2_28

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抄録

  施設内に入院中の転倒経験のある高齢者18名に,印象強く残っている転倒経験について語ってもらい,転倒経験とその後の予防のとらえ方・転倒恐怖の感じ方について明らかにした。 その結果,以下の結論を得た。
1. 転倒直後の思いとして7割以上 「痛かった」 という転倒時の痛みが印象深く残っており,転倒を痛み体験として捉えていた。
2. 再転倒を予防するにあたり,「転倒の危険を感じる場所」 「自分の身体状態」 「転倒後の身体と他人への影響」 「他人からの忠告」 が抽出された。 その中でもトイレと風呂場で特に再転倒を意識していた。
3. 再転倒を予防するための具体的行動として,「何かにつかまる」 「補助具を変える」 「移動動作をゆっくり行う」 「足元に注意する」 という行動をとっていた。
4. 転倒予防行動をとっていても再転倒の恐怖を7割が訴えていた。 特にトイレや入浴動作時に身体が不安定になり易い場面に恐怖感がみられることが明らかとなった。

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© 2002 一般社団法人 日本看護研究学会
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