2005 年 28 巻 1 号 p. 1_53-1_62
本研究は,女子学生を対象に骨粗鬆症予防の知識や運動と骨密度の関係を検討し,今後の骨粗鬆症予防のための教育に生かすことを目的とし,骨粗鬆症予防の知識調査と運動前・後の骨密度を測定した。その結果,1.7項目で高学年ほど予防知識が高かったものの,学年に関係なく知識の低い項目もみられ,具体的な理解に欠けることが明らかとなった。2.骨粗鬆症予防のための1日に必要なカルシウム摂取量の正解率は,食事良好群が不良群に比べて高く,知識と行動の関係が確認された。3.運動群の1年後の骨密度は初回に比べて増加し,変化量は運動群が非運動群に比べて高かったことより,運動と骨密度の関係が示唆された。4.1年間の弓道部活は腰椎骨密度の増加に効果がみられた。5.カルシウム未充足群の運動群は,非運動群に比べて腰椎骨密度が高かったことより,運動と腰椎骨密度の関係が確認された。