日本看護研究学会雑誌
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ロールプレイング演習における看護学生の言語的・非言語的コミュニケーション行動の特徴に基づく演習プログラムの検討
-行動コーディングシステムによる内容と出現パターンの分析-
久米 弥寿子
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2005 年 28 巻 1 号 p. 1_63-1_71

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抄録

 本研究の目的は,ロールプレイング演習における看護学生の言語的・非言語的コミュニケーション行動の内容や出現パターンの特徴を明らかにし,演習プログラムの内容と効果的な指導法を検討することである。看護大学生(139名)のロールプレイング演習のビデオ録画96記録について行動コーディングシステム(DKH,PTS-07)を用い,文献(Ivey, Roter, Haysら,斉藤)に基づき分析した。その結果,1)言語的コミュニケーション行動(17行動)と非言語的コミュニケーション行動(4行動)が明らかになり,2)ロールプレイング前半で「CQ」「OQ」「最小限のはげまし」が有意に多く,後半には「助言」「個人的支援」が出現し,3)後半に「沈黙」「視線をそらす」「関係のない笑い」の出現時間が増加していた。コミュニケーション技術教育の初期段階にある看護学生のロールプレイング演習においては,演習の進行に関する事前指導や参加者の心理的側面を考慮する必要性が示唆された。

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© 2005 一般社団法人 日本看護研究学会
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