2005 年 28 巻 4 号 p. 4_11-4_17
本研究は,動脈硬化性疾患の一次予防を考える上で,メタボリックシンドロームと生活習慣との関連を明らかにするために実施した。2002年に愛知県S町で行なわれた定期健康診断の受診者1,153人を対象とした。動脈硬化性疾患の危険因子重複数をリスク保有数で示し,20歳からの体重増加量および生活習慣との関連を検討した。リスク3以上群の割合は,20歳からの体重増加量が多いほど有意に高値を示した。高BMI群とそうでない群に分けた比較でも,両群とも体重増加量が増えるにつれて,リスク保有数が多い割合が有意に高かった。また,20歳からの体重増加量が大きいほど「運動不足である」「食事速度が早い」「腹いっぱい食べる」傾向が示された。本研究により,メタボリックシンドロームには20歳からの体重変動量が大きく関与していることが示唆され,肥満のみでなく青年期からの体重増加量も抑えるよう気を付けることが予防になると示唆された。