日本看護研究学会雑誌
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エイズ拠点病院におけるHIV/エイズ看護に関する調査研究
前田 ひとみ南家 貴美代渡辺 恵
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2005 年 28 巻 4 号 p. 4_19-4_25

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抄録

 HIV/エイズ看護の現状と看護ケアに対する認識を把握する目的で,平成13年10月に,ブロック拠点病院並びに拠点病院のエイズ診療に関連する場所で勤務する看護師を対象に質問紙調査を行った。
 有効回答数は1804人(202施設)であった。エイズ専任またはエイズ兼任をあわせたエイズ担当看護師(以下エイズ担当)は55.0%の施設で配置されていた。一般看護師の33.6%,エイズ担当の34.1%がこれまでにエイズ患者の看護経験がなかった。エイズ看護に特徴と考えられるケアの経験者率はエイズ担当と一般看護師で有意な差がみられ,重要度の認識も異なっていた。またエイズ看護経験者の半数以上がエイズ看護に不安を感じていることがわかった。
 今後はHIV/エイズ患者と医療者,保健医療福祉機関をつなぐ役割を担うことができる看護師の育成と,外来,病棟の区別なく看護実践ができるような体制を作る必要がある。

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© 2005 一般社団法人 日本看護研究学会
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