2005 年 28 巻 4 号 p. 4_61-4_67
本研究の目的は,家族が高齢者を看取る過程の介護行動尺度を作成し,介護行動に影響する要因を分析することである。対象は老人大学の受講生405名である。方法は郵送質問紙調査法である。看取り介護行動は29項目よりなり,4段階評価である。結果は次の通りである。看取りを行った経験者は222名(65.7%)であった。看取った相手は親55.3%,配偶者12.4%,子ども0.3%,その他の家族が12.4%であった。看取り時の介護行動の因子分析から3因子が抽出された。それぞれの因子は「直接的介護行動,α=0.856」,「死の受け止めに対する援助行動,α=0.786」,「情緒的援助行動,α=0.807」と命名された。これらの因子に影響する要因は介護者の性,最期の治療方針,看取り後の受け止め感であった。