2007 年 30 巻 1 号 p. 1_89-1_95
本研究の目的は,看護系大学学生の卒業研究における課題探求プロセスを明らかにすることである。対象者は平成15年度に看護系大学を卒業した11名で,半構造化面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリーを用いて分析した。
その結果,卒業研究における課題探求プロセスとして,学生がなぜその課題に取り組もうとしたかに関する課題探求の動機カテゴリー,学生が研究課題を決定するためにどのような行動をとったかに関する課題探求行動カテゴリー,学生が課題探求をする上で指導者の存在をどのように捉えていたかに関する指導者の存在意味カテゴリーの3カテゴリーが生成された。学生が課題探求する上で,課題探求の動機と行動のそれぞれに指導者の存在が影響を及ぼしており,課題探求の初期の段階からの指導者の関わりを必要としていた。また,〈水先案内人としての指導者〉の関わりは学生の達成感を高め,より主体的な課題探求を促すことが示唆された。