日本看護研究学会雑誌
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コントロール感覚からみた産褥早期の母親の出産体験の分析
國清 恭子齋藤 やよい
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2007 年 30 巻 1 号 p. 1_67-1_77

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抄録

 本研究は,産褥早期の母親の出産体験におけるコントロール感覚を明らかにすることを目的とした。産褥早期の母親10名を対象に出産体験についての半構成的面接を行い,Berelsonの内容分析を用いて質的に分析した。その結果,コントロール感覚からみた出産体験には,【自分の力によって出産したという体験】,【子どもと力を合わせて出産したという体験】,【家族や重要他者の力を借りて出産したという体験】,【専門家の力を借りて出産したという体験】,【運や自然の力によって出産が支配されたという体験】,【霊的なものによって自分の出産が守られたという体験】があり,前者ひとつが内的統制に基づく体験で,それ以外は外的統制に基づく体験であった。出産体験の意味づけを促す援助として,外的統制を意識づける方法や,外的統制感の内的統制感への回復や強化を促す方法の有用性が示唆された。

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© 2007 一般社団法人 日本看護研究学会
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