日本看護研究学会雑誌
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学内から臨地実習へのプロセスにおける看護学生の学習の変化:状況論における「移動」概念の視点から
香川 秀太櫻井 利江
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2007 年 30 巻 5 号 p. 5_39-5_51

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抄録

 看護学教育における学生の学習には,学内で教授したことができない,あるいは実習によって学びが深まる等の現象がある。学生の学習過程を把握し,これらの現象が起こる機序を明確にすることは教育デザインを考える上で重要である。本研究は,学習理論の中でも,社会的状況によって異なる学習スタイルの存在を提起している状況論の「移動」概念に依拠して,修正版グラウンデッドセオリーアプローチにより看護学生の変化・学習過程を明らかにした。その結果,【課題の現出・解決プロセス】,【最低限必須行為と自由な行為】,【組織が前提とする成功・失敗行為】という3つのカテゴリーが抽出され,学習の中心的な帰結概念には≪根拠立てに関して学生が感じる重要性≫が挙げられた。これらのカテゴリーを形成する概念間の関連性により,学内から臨地実習へと移る際,何が学習を支えているのかを明示し,その学習過程に関する理論生成を行った。

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© 2007 一般社団法人 日本看護研究学会
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