抄録
本研究は,グラウンデッド・セオリーを参考に,在宅で生活している青年期Duchenne型筋ジストロフィー患者の外出に影響を与えた出来事や思い、関連性を明らかにし、外出に対する支援方法を検討することを目的として,青年期にある3名に参加観察と半構成的面接により調査した。その結果,疾患が予後不良である事実に直面した状態をスタートとした≪本当は行きたい≫外出を取り戻すプロセスが明らかになった。これは,【疾患を受容することからの意欲の回復】に至ることにより,【外出欲望からの外出実行力の再獲得】が生まれ,実際に外出することで【外出の経験から得られた充実感】が生じていた。しかし,一方で,疾患を徐々に受容することで【絶対的な予後不良の中であるがままに生きる姿勢】も身につけており,これは外出行動すべてに影響を及ぼしていた。この結果から,疾患の受容,外出するきっかけ作りや実際の外出での問題に対する支援の必要性が示唆された。