2008 年 31 巻 2 号 p. 2_25-2_36
本研究の目的は,若年女性の月経周期に伴う症状に影響を及ぼす要因を明らかにすることである。対象は月経不順がなく,医学的知識をもつ看護専門学校生81名と非医療系の専門学校生94名とした。
その結果,対象者は月経前期から月経期にかけて強くなる症状を経験していることが明らかになった。ストレス,起床時に疲労感がないことや良好な睡眠,適度な運動は症状が軽度である事と関連していた。また,最も医学的知識をもつ看護専門学校3年生の症状は軽度であった。さらに,看護専門学校生は睡眠時間が少なく喫煙や飲酒が多い一方,不健康な環境に対して食生活に配慮し運動などをよく行っていた。非医療系の専門学校生は次回月経開始日の予測ができず,保健行動も少なかった。このことから非医療系の専門学校生は月経知識だけでなく一般的な健康情報も不足していることが示唆された。以上より,知識や環境要因による月経周期に伴う症状への影響についてさらに検証していく必要がある。