抄録
本研究は,喉頭摘出者の代用音声獲得に関する手術前から退院後の外来通院を通した看護介入についての手がかりを得るために,SHGの食道発声教室の初心クラスの喉頭摘出者が,失声というアイデンティティ表現の喪失にどのように取り組み,ライフスタイルを再編成しているのかを明らかにすることであった。食道発声教室初心クラスの参加者39名に面接調査を行い,逐語録を質的帰納的に分析した。ライフスタイルの再編成は【失声の意味づけ】【失声の影響】【食道発声獲得の希求】【発声練習の必要性の認識】【食道発声への取り組み行動】【日常生活上の取り組み行動】の6つのカテゴリーから構築されていた。看護者は喉頭摘出者自身の健康状態や生活を支援することはもちろんのこと,SHGに関する情報を提供することも看護者の役割である。