日本看護研究学会雑誌
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デイケアに通所する統合失調症患者の居場所感とQuality of Lifeとの関連
茅原 路代國方 弘子岡本 亜紀渡邉 久美折山 早苗
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2009 年 32 巻 1 号 p. 1_91-1_97

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抄録

 本研究は,デイケアに通所し地域で生活する統合失調症患者83名を対象に,居場所感とQOLの2変数の関連を明らかにすることを目的とした横断研究である。調査項目は,日本語版WHOQOL-26,精神障害者の居場所感尺度(3下位尺度からなる2次因子モデル),個人特性で構成した。想定した居場所感とQOLの因果関係モデルを共分散構造分析を用いて検討した結果,適合度指標は統計学的な許容水準を満たし,モデルはデータに適合した。居場所感が大きいことは,より良いQOLであることが明らかになり,その寄与率は44%であった。このことから,在宅生活をする統合失調症患者がより良いQOLを獲得するためには,彼らの居場所感を高める支援が有効であることが示唆された。

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© 2009 一般社団法人 日本看護研究学会
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