本研究は,看護者が患者の姿勢からどのような感情を認知しているのかを養護教諭と比較し,明らかにすることを目的とした。対象者は看護者195名,養護教諭40名である。基本,不安,落胆,緊張,興味,怒り,喜びの7つの感情を表している姿勢を刺激図版として用いた。対象者には刺激図版を提示し,その患者がどのような感情状態であるかを気分調査票を用いて評価した。不安や落胆の感情を表現していると考えられる姿勢は,抑うつ感や不安感の得点が看護者,養護教諭ともに高く,これらの感情を適切に認知していると考えられる。看護者は経験年数によって認知する感情に違いがあり,経験年数が少ないほど得点が低い傾向にあった。看護者,養護教諭ともに1つの姿勢でも複数の感情認知得点が高く,特定の感情だけを認知していないことが示唆された。姿勢から認知する感情は看護者と養護教諭,経験年数により差異があることが考えられる。