日本看護研究学会雑誌
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看護師が静脈穿刺をする際の駆血圧と駆血帯装着方法について
加藤 晶子森 將晏
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2010 年 33 巻 4 号 p. 4_131-4_136

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抄録

  看護師が静脈穿刺を目的に駆血帯を装着する方法について、主に駆血圧について検討を行った。6医療施設の看護師74名に採血を想定して各人の駆血帯を同一対象者の上腕に装着してもらった。駆血帯装着部位は静脈穿刺想定部位から平均9.1㎝中枢側で、ほぼ教科書通りであった。しかしながら、駆血圧は60㎜Hgから271㎜Hgまで広い範囲に分散しており、平均は145±56.1㎜Hgと高かった。ほぼ適切と考えられる100㎜Hg以下は20名(27%)と少なく、200㎜Hg以上の高圧で装着する看護師が16名(22%)もいた。駆血圧は1週間あたりの静脈穿刺回数や経験年数にもあまり関係が見られなかった。また巻く強さについての気持ち(少しゆるめに巻いたなど)と駆血圧間には関係がなかった。これらのことは、看護経験の長さや、静脈穿刺の頻度などが適切な駆血圧で駆血帯を装着することには役に立っていないことを示している。この原因としては、駆血帯の構造上意図した強さで装着することが難しいことなどが考えられた。

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© 2010 一般社団法人 日本看護研究学会
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