日本看護研究学会雑誌
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簡易版漸進的筋弛緩法の作成とがん患者への介入の効果
近藤 由香小板橋 喜久代金子 有紀子小林 しのぶ
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2011 年 34 巻 5 号 p. 5_87-5_93

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抄録

 本研究の目的は,漸進的筋弛緩法(PMR)の簡易版を作成すること,がん患者にPMRの簡易版を実施し有効性を評価すること,である。先行研究を参考に7筋群の簡易版PMRを作成し,がん患者6名に実施した。6名の対象者に2回ずつ全12回測定したうち,唾液中分泌型免疫グロブリンAは実施後7回増加,唾液中コルチゾールは実施後6回低下がみられ,収縮期血圧値は実施後8回低下が,脈拍数は実施後7回上昇がみられた。1年間PMRを継続できた2名の半構成的面接の内容分析の結果からは【心身の心地よさを感じる】【不快な症状が緩和する】【PMRプログラムに対する肯定的な気持ちをもつ】【自分の生活のなかで役立つ】【PMR継続への意欲をもつ】が抽出された。以上より,簡易版PMRはがん患者の心身を整える効果をもたらすことが示唆された。

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© 2011 一般社団法人 日本看護研究学会
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