本研究の目的は,看護配置の違いが看護師にもたらす影響を検証することであった。看護師868名に対し,看護周辺業務の実施状況,『臨床看護師の仕事ストレッサー測定尺度』,『労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト』,職務継続意思を調査した。分析は,7対1群と10対1群の2群間で比較した後,各尺度を基準変数,看護配置を説明変数とする重回帰分析を行った。結果,7対1群は10対1群より,看護周辺業務の搬送業務実施が少なく,ストレッサー尺度の〈職場の人的環境〉〈仕事の量的負担〉および疲労蓄積度の[自覚症状の評価]が有意に低かった。職務継続意思では,7対1群は所属病院を勤め先としてよい病院だと思う比率が有意に高かった。重回帰分析の結果,看護配置は職務継続意思にわずかに影響していた。7対1看護配置を取得できる病院の特徴が,看護師の働く環境や看護師自身に影響している可能性が考えられた。