日本看護研究学会雑誌
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介護老人保健施設における認知症ケアガイドラインの開発
原 祥子實金 栄
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2012 年 35 巻 4 号 p. 4_75-4_81

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抄録

  本研究は,介護老人保健施設に適用できる認知症ケアガイドラインを開発することを目的とした。看護・介護職員594人に調査票を配布し380人の有効回答を分析した。認知症ケアガイドラインの因子モデルは「安心を高める環境づくり」「生活の継続性への支援」「その人の潜在能力を引き出す支援」「安全に社会とのつながりをもてる暮らしへの支援」「家族との協働を含めた一貫したケア」「家庭での療養への移行に向けた支援」を一次因子,「認知症高齢者ケア」を二次因子とするモデルとし,その構成概念妥当性を因子モデルと外的基準(仕事満足度)との関係において構造方程式モデリングで検討した。その結果,6因子29項目で構成したガイドラインの因子モデルのデータへの適合性,ならびに認知症高齢者ケアと仕事満足度の関係が統計学的に支持された。この認知症ケアガイドラインは,介護老人保健施設の認知症ケアの質確保に有効に機能することが示唆された。

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© 2012 一般社団法人 日本看護研究学会
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