日本看護研究学会雑誌
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要支援一人暮らし男性高齢者のサポート獲得プロセス
山根 友絵百瀬 由美子松岡 広子
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2012 年 35 巻 5 号 p. 5_1-5_11

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抄録

  本研究は,要支援認定を受けている一人暮らし男性高齢者に焦点を当て,在宅生活継続を可能にしているサポートの状況とその獲得プロセスを探索することを目的とした。要支援一人暮らし男性高齢者14名を対象に半構造的面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析を行った結果,要支援一人暮らし男性高齢者が,日常生活のなかで感じた困難な状況から,自分自身の能力をできる限り活用し,他者の援助を受けることやサービスを利用することで,現在の生活に至るプロセスが明らかにされた。高齢者は一人暮らしを継続するなかで,さまざまな不安や不確かさと欲求や展望などを感じており,それらの思いはサポート獲得プロセスと影響しあっていた。なかでも家長としての役割を果たしたいという思いは特徴的であり,一人暮らし男性高齢者にかかわる専門職は,親族・交友関係や希望の把握に努め,意向に沿った方向で援助していく必要がある。

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© 2012 一般社団法人 日本看護研究学会
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