日本看護研究学会雑誌
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強化インスリン療法以降の糖尿病児童生徒に対する養護教諭の支援に関する現状分析:埼玉県における調査から
榎本 聖子松下 祥子河原 加代子
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2012 年 35 巻 5 号 p. 5_75-5_85

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抄録

【研究目的】本研究の目的は,糖尿病児童生徒への支援の現状を分析することである。
【研究方法】埼玉県の公立学校に勤務する養護教諭997名を対象に質問紙調査を行い,451名の有効回答を得た。質問内容は,①糖尿病に関する専門知識と低血糖リスクへの判断,②学校での支援の実際,③医療機関との連携等であった。②と③は,強化インスリン療法一般化以降の指導経験者204名を対象にした。
【研究結果】1)養護教諭は,糖尿病に関する基本的な理解はできていたが,長期合併症やヘモグロビンA1cに関する知識は不十分であった。2)専門知識,指導経験をもつ養護教諭は,低血糖リスクに対してより適切な判断をしていた。3)養護教諭と看護職とのかかわりはほとんどなかった。4)医療的ケアの実施を依頼された経験のある養護教諭は指導経験者の11~15%で,そのうちの一部は同意していた。5)看護職と養護教諭との協働は,学校における支援の質の向上につながる,と考えられた。

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© 2012 一般社団法人 日本看護研究学会
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