日本看護研究学会雑誌
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一般訪問看護師による精神疾患をもつ利用者と家族への防御ラインを察知した接近法
渡邉 久美野村 佳代國方 弘子折山 早苗村上 礼子
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2012 年 35 巻 5 号 p. 5_97-5_104

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抄録

  本研究の目的は,一般訪問看護師による精神疾患をもつ療養者とその家族との援助関係の形成に向けた方略を明らかにすることである。精神疾患をもつ療養者の訪問を継続する一般訪問看護師10名を対象に半構成面接を行い,M-GTAによる分析を行った。方略として【精神科看護モードへの切り替え】【言動にあわせた対応】【関与の糸口の模索】【保清ケアの流れの引き寄せ】【支援要請への速やかな対応】【かけ込み寺としての存在】【家族との協働による探索ケア】【つかみきれないなかでの寄り添い】の8カテゴリーの接近法が抽出され,コアカテゴリー『防御ラインを察知した段階的接近』が導かれた。防御ラインは順に〈保清ケアによる身体接触〉〈家族の関与〉〈人々の関与〉であった。一般訪問看護師が利用者の防御ラインを見極め,段階を踏んで越えることを目標とすることで,援助関係の形成につながることが示唆された。

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© 2012 一般社団法人 日本看護研究学会
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