日本看護研究学会雑誌
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在宅療養高齢者の終末期医療に対する意思把握に訪問看護師が必要とする情報
高橋 方子布施 淳子
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2013 年 36 巻 5 号 p. 5_35-5_47

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抄録

 目的:訪問看護師が在宅療養高齢者の意思に添う終末期医療の提供ができたと判断した事例から,終末期医療の意思把握に必要な情報を明らかにすることを目的とした。
 方法:訪問看護師5名を対象に非構造化面接を行い逐語録を作成し,質的記述的研究方法を用いて意思把握に必要な情報を抽出した。さらに,抽出された情報とLambertらによる終末期医療の意思決定の根拠となるバリューズヒストリーの内容との類似性を検討した。
 結果:意思把握に必要な情報として[生き方][意思決定][宗教・葬式][健康][余命][介護費用][医療・ケアチームとの関係][終末期医療に対する意思]の8カテゴリーが抽出され,この抽出された情報の多くは一部を除きバリューズヒストリーの内容と類似していた。
 結論:わが国においても米国と同様に終末期医療に対する意思把握には,バリューズヒストリーで指摘されたようなその人の特徴や考え方を表す意思決定の根拠となる情報が必要であることが示唆された。

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© 2013 一般社団法人 日本看護研究学会
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