抄録
本研究の目的は,根治的前立腺全摘除術後患者が,排尿障害が改善したと実感するまでにおいて,入院から退院を経て自宅での生活のなかでどのような経験をしているのかを明らかにすることである。術後4か月経過した60~70歳代の5名を対象とし,半構成的面接調査と質問紙調査を行い,質的帰納的分析を行った。
患者は,【術後から続く排尿障害のつらさ】という最もつらい経験をし,パッドやオムツを使用する情けなさを退院後も感じながら【排尿障害と付き合いながらの生活】を送っていた。骨盤底筋体操や日ごろの運動など【排尿障害に対する取り組み】を行い,【医療者,同病者からの情報取得】を自分に当てはめ活用しながら,徐々に【排尿症状の改善と解放感】を感じとっていた。術前はがんや手術のことが気になっていたが,術後は排尿障害に伴うつらさに意識が集中し,排尿障害が改善してくるとがん再発の不安へと【排尿障害に対する意識の変化】が見出せた。