日本看護研究学会雑誌
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大学附属病院における新人看護師の看護実践能力と他者支援との関連
山口 大輔浅川 和美
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2016 年 39 巻 2 号 p. 2_43-2_52

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抄録

 新人看護師が受けている,師長・副師長,先輩,同期からの支援と,看護実践能力との関連を明らかにすることを目的に,大学病院に勤務する入職6か月目の看護師135名を対象として,無記名自記式質問紙調査を行った。その結果,師長・副師長からの「業務支援」と看護実践能力の間に比較的強い相関がみられ,師長・副師長の「精神支援」と同期の「業務支援」との間に弱い正の相関がみられた。具体的には,師長・副師長からの「目標,手本となっている」(r = .327)や「仕事上の必要な他部門との調整をしてくれる」(r = .387)と看護実践能力との関連が認められた。先輩看護師から最も多くの支援を受けていたが,看護実践能力との関連は認められなかった。師長・副師長のロールモデルとしての役割や,業務遂行上の環境調節は新人看護師の看護実践能力を高める要因となっていることが示唆された。

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© 2016 一般社団法人 日本看護研究学会
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