抄録
目的:本研究の目的は,新人看護師の被害的認知,およびその認知時に喚起される感情とバーンアウトとの関連性を明らかにすることとした。
方法:急性期病院に勤務する26歳未満の新人看護師を対象に質問紙調査を実施,分析した。
結果:解析対象者のうち92.4%(354名/383名)が被害的認知を経験していた。被害的認知経験者は,未経験者よりもバーンアウト傾向にあることが示された(p = .001~ .19,t-test)。被害的認知に伴う不安や怒り感情が強い者ほど,バーンアウトの傾向にあった(p = .000~ .030,One-way ANOVA)。
結論:本研究の結果は,被害的認知に伴う不安や怒り感情を低減することによって,バーンアウトを低減できる可能性を示唆するものである。