日本看護研究学会雑誌
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血液透析患者におけるSOCの違いによるQOLおよびストレス対処方略の比較
浅田 有希原 理恵古賀 明美熊谷 有記
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2018 年 41 巻 4 号 p. 4_763-4_770

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抄録

 本研究の目的は,血液透析患者のSOCの違いによるQOLおよびストレス対処方略を明らかにすることである。血液透析患者を対象に,個人属性と,SOC-13,SF-8,TAC-24の各尺度項目を使用した質問紙調査を実施した。196名を分析対象とした。SOCは中央値で二分して高群,低群とし,χ2検定,Mann-WhitneyのU検定を用いて分析した。SOCが高い人は,SF-8の精神的サマリースコア,「心の健康」「日常役割機能(精神)」のQOLが高かった。高いSOCはとくに精神面の主観的健康観と関連していることが示唆された。SOCが高い人は,「計画立案」「肯定的解釈」のストレス対処方略をとりやすく,低い人は,「放棄・諦め」「責任転嫁」の方略をとりやすいことが示された。SOCが低い患者に対しては,今後の見通しを立て,悪い面ばかりではなくよい面を見つけていけるように支援することが必要である。

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© 2018 一般社団法人 日本看護研究学会
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