日本看護研究学会雑誌
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新人看護師が複数患者を同時に受け持つ体制下で看護を実践するうえでの取り組み
─ KJ法を活用した面接内容の構造化から ─
今井 多樹子岡田 麻里高瀬 美由紀
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2019 年 42 巻 1 号 p. 1_31-1_42

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抄録

 複数患者を同時に受け持つ体制下での新人看護師の取り組みを明らかにした。新人看護師7名に半構造化面接を行い,KJ法で構造化した。新人看護師は複数患者の看護という新たな経験をとおして,治療について【知らないことの怖さによる奮起】が原動力となり【先輩の指導に従順】であることと【機会あるごとの振り返り】を軸に,【経験による新たな知識・技術の習得】に奮闘していた。この過程では,先輩看護師の指導下で患者の【病態理解と情報収集に尽力】すると同時に【先を見越した業務の段取り】を行っていた。そして【先輩との人間関係の構築】【看護専門職として行うべき報告・相談の創意工夫】に努めながら【先輩の支援下でむずかしい実践に挑戦】していた。【経験による新たな知識・技術の習得】は【主体的で柔軟な職場学習】により強化され,実践力の獲得・精錬につながっていた。専門的な知識不足の自覚を媒介とした看護実践能力の獲得努力所以の構図であった。

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© 2019 一般社団法人 日本看護研究学会
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