2022 年 45 巻 1 号 p. 1_59-1_70
目的:概念分析により「看護学生の気づき」のプロセスを明らかにし,概念を定義することである。方法:2000〜2018年公表の国内文献31件を対象に,Walker & Avantの手法で分析した。結果:3つの属性,6つの先行要件,3つの帰結が抽出され,「看護学生の気づき」は,「対象となる現象ならびに自己の内面に触れる経験を通じて,感情の変化を自覚すること,既知との対比から違いを見つけ出すことである。これらは対象と自己への理解を深め,看護学生としての自己や行動に能動的な変化をもたらす」と定義された。 結論:「看護学生の気づき」は,気づくための感度や精度の洗練といった自己の内面での変化が,自ら意味ある気づきを獲得できるようになる「気づきの循環」を成す連鎖的なプロセスであり,この循環を促す意図的な仕掛けが理解の深化や新たな気づきの促進,他の場面での応用に不可欠であることが示唆された。