日本看護研究学会雑誌
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エスノグラフィックリサーチの方法と研究事例
法橋 尚宏太田 浩子林 綺婷和辻 雄仁
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2022 年 45 巻 2 号 p. 2_159-2_175

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抄録

エスノグラフィックリサーチは,“エスノグラフィックインタビューと参加観察を主とするフィールドワーク(現地調査)によって,イーミックとエティックな視点から対象の生活世界で起きている現象や文化を記述する方法論”である。これは方法のトライアンギュレーションであり,フォーマルインタビュー,インフォーマルインタビュー,参加観察,質問紙調査,既存の書籍・文献・ウェブサイト資料の収集,写真撮影,映像撮影などを行う。データ収集と分析を繰り返しながら,問いや仮説を精緻化する。信用可能性,確認可能性,脈絡に応じた意味,反復的パターン形成,飽和,転用可能性などを質的評価基準として,信憑性を保証する。すべてのデータは定性化してフィールドノーツに記述し,コーディングを行い,コードの類似性と相違性の観点からカテゴリー化した後,テーマにそってストーリー化して報告書にまとめる。

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© 2022 一般社団法人 日本看護研究学会
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