日本看護研究学会雑誌
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在宅療養中の認知症高齢者の主介護者に対する呼吸法による睡眠の質改善の基礎的評価
近藤 由香上山 真美塚越 徳子堀 美佐子
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2023 年 46 巻 1 号 p. 1_43-1_53

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抄録

目的:在宅療養中の認知症高齢者の主介護者に対する呼吸法による睡眠の質改善の評価を主観的指標より明らかにする。方法:呼吸法を3日間,対照日を3日間介入した。評価項目は,ピッツバーグ睡眠質問票日本語版(PSQI),OSA睡眠調査票MA版(OSA),インタビューであった。フリードマン検定とマン・ホイットニー検定,また内容分析を行った。結果:分析対象者は6名であり,主介護者のPSQI総合得点の中央値は7点であった。OSAの入眠と睡眠維持は,1日目と3日目の得点差において,呼吸法実施日と対照日で有意差がみられた (p<.001)。内容分析の結果,5カテゴリ【睡眠の質が改善する】【リラックスの感覚がある】【呼吸法は睡眠への効果があると感じる】【自分自身を休めることの重要性を認識する】【睡眠の変化を感じない】が抽出された。結論:呼吸法は,主介護者の入眠と睡眠の維持をもたらす可能性があることが示唆された。

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