日本看護研究学会雑誌
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心・大血管手術後の頭部脱毛症におよぼす諸因子の検討
後藤 千佳木村 紀美米内山 千賀子近藤 久美子福島 松郎
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1985 年 8 巻 1 号 p. 1_95-1_100

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抄録
 術後に発症する円形脱毛症,頭部の褥瘡(alopecia)については,全身麻酔後に認められる小合併症のひとつとして,1950年頃から注目され始めた。今回,術後のalopeciaの原因のひとつであろうと推察されている手術中の圧迫状態を,頭部の体圧の面から検討するため,それを測定した。その結果,次のような結論を得た。
1. 5種類の枕のうち,後頭部の体圧を最も低下させたのは,弘大式麻酔枕で平均27.6mmHgとなった。
2. 心・大血管手術群のうち5例に術後膨張がみられ,麻酔時間,人工心肺使用時間が長く,中枢温と末梢温の較差が大で,後頭部皮膚温も低かった。
3. 理想的な枕のない現在,30分から2時間おきに,頭の位置を変えることが適当な処置と思われる。
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© 1985 一般社団法人 日本看護研究学会
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