日本看護研究学会雑誌
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看護師の気道吸引における情報収集と吸引手技の実態調査
吸引前の情報収集と吸引手技,フィジカルアセスメント教育経験との関連
佐久間 佐織渡邉 順子樫原 理恵
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論文ID: 20170105008

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抄録

本研究は,看護師の気道吸引における情報収集と吸引手技の実践状況を調査し,吸引前に収集する身体情報と,吸引手技およびフィジカルアセスメント教育との関連を明らかにすることを目的に,病棟看護師562人に対して自記式質問紙調査を実施した。その結果,看護師は気道吸引前に,分泌物の存在,呼吸仕事量,酸素化についての情報を,視診や聴診,計測データ,分泌物の観察によって多角的に収集していた。吸引手技では,分泌物の観察,感染対策,患者と家族への説明,モニタリングは80%以上と高いが,ガイドラインに提示されていない手技看護師の気道吸引における情報収集と吸引手技の実態調査は50%未満と低かった。吸引前の聴診では「異常呼吸音の識別」や「呼気の延長」は約30%と低かったが,フィジカルアセスメントの現任教育が実施を促進していた。また,吸引前に収集される酸素化の情報(SpO2,血液ガス所見)は,吸引の適用の判断指標だけでなく,酸素化に関する手技の実施に反映されていた。

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© 2017 一般社団法人 日本看護研究学会
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